台湾音楽の魅力を伝え続ける竹内将子さんのキャリアと台湾音楽シーンの現在

FEATURE
Interviewer Yosuke Sato Edit by Shiritaikun
地方局のアナウンサーを経てフリーに転身し、現在はラジオ番組やPodcastを通じてアジアンカルチャーの魅力を発信し続ける竹内将子さん。台湾アーティストの招聘やプロモーションにも携わる彼女に、アナウンサーとしてのキャリアの原点や台湾音楽に魅了されたきっかけ、そして進化を続ける台湾音楽シーンの「今」についてお話を伺いました!
竹内将子
KSB瀬戸内海放送で局アナとして6年間活動。その後フリーに転身し、ニュース番組、航空会社の機内音楽番組、NHK-FMのクラシック音楽番組をはじめ、活動の幅を広げる。J-WAVEでニュースアナウンサーを務めていた頃、早朝の生放送番組「MORNING VOYAGE」のラジオ・パーソナリティに起用。番組内で中華圏の音楽を紹介したことをきっかけに、中華圏音楽への関心を深める。

その熱意はさらに高まり、仕事を整理して北京・中央戯劇学院へ留学。帰国後は、現地で得た中華圏音楽の知見を活かし、台湾アーティストの招聘や日本でのプロモーションに携わる。現在もラジオ番組やSNSを通じて、台湾の音楽・食・エンタメなどを積極的に発信。FM番組「Asian Breeze」のラジオ・パーソナリティ、Podcast「好玩電台」では、菅原慎一と共に案内役を務める。

竹内さんは現在、ラジオパーソナリティや音楽キュレイターなど、幅広く活動されていますが、まずは音楽との関わりや、これまでのキャリアについて教えていただけますでしょうか?

どこから話そうかな。結構、長くなっちゃうかもしれません(笑)。もともと音楽が好きで、中学時代にはバンドをやっていたり、大学時代には毎週のようにライブハウスに通ったりしていました。そうした中で、少しずつ音楽業界の方とのつながりも増えていき、自然とレコード会社への就職を目指すようになりました。 ただ、いざ就職活動をしてみると、レコード会社への就職はなかなか決まらず、いろいろと考えた結果、メディアとの関わりが深いアナウンサーを目指すことにしました。最終的にはアナウンサー試験に合格し、約6年間、地方局でニュース、天気予報、街角インタビューなど、さまざまな仕事を経験しました。

最初のキャリアは、音楽ではなく報道のお仕事が中心だったんですね。そこから、どのようにして音楽の仕事に携わるようになったのでしょうか?

アナウンサーとして活動する中で、一つの転機になったのが、SING LIKE TALKINGへのインタビューでした。それをきっかけに、あらためて音楽の仕事を強く意識するようになり、フリーアナウンサーとして東京で活動することを決意しました。その後、フリーアナウンサーとして事務所に所属し、さまざまな仕事を経験する中で、初めてラジオの音楽番組のパーソナリティに抜擢されました。最初に担当したのはクラシック音楽の番組でしたが、その後、J-WAVEのニュースルームで働いている時に、早朝の番組「Morning Voyage」の金曜日を担当することになり、その中で中華圏の音楽を紹介することになりました。

その番組では、どのようなアーティストをご紹介されていたのでしょうか?

ワン・リーホン、ジェイ・チョウ、MAYDAYなどを紹介していました。その番組は2年くらい続きましたが、さまざまな中華圏の音楽を紹介していく中で、音楽だけでなく、語学も本格的に勉強したいという思いが強くなっていました。そこで、J-WAVEの仕事を辞めて、約1年半、北京へ留学しました。語学を学びながら、現地のCDショップにも足繁く通い、たくさんの中華語圏の音楽に触れる中で、自分の中で台湾の音楽への興味がどんどん高まっていきました。

北京留学をきっかけに、台湾の音楽を強く意識するようになったんですね。帰国後は、どのようなお仕事をされていたのでしょうか?

台湾や中華圏の音楽を中心としたラジオ番組をやりたいと思い、自分で企画書を書いて、ラジオ局に直接営業をかけました。ちょうど北京オリンピックの開催前で、中華圏のカルチャーへの関心が高まっていたこともあり、『Midnight Asia』(FM愛知)、『WITH CHINA』(JFN系列)という、アジア・カルチャーに特化したラジオ番組を担当することになりました。その番組で、MAYDAY、ジェイ・チョウといった台湾のアーティストにインタビューする機会もあり、そこから台湾のアーティストや音楽関係者の繋がりも増えていきました。

その後、本格的に台湾の音楽を日本に紹介されるようになったんですね。

そうですね。2016年にラジオ番組『Asian Breeze』を立ち上げ、現在に至るまで、多くの台湾アーティストのインタビューを紹介してきました。同時期にクラウド・ルーの日本でのプロモーションにも携わることになり、2018年と2019年に単独公演を実現させることもできました。それまで、台湾の音楽は、どちらかというとバラード中心のシンガーが多い印象でしたが、この辺りからインディー・バンドやアーティストの活動が大きく動き出してきました。コロナ禍の2020年に、ポッドキャスト番組『好玩電台』をスタート。こちらは、菅原(慎一)さんも台湾カルチャー好きということもあって、台湾の音楽や食などの話題を中心に、ゆるーくやっている番組です(笑)。

台湾での一コマ(ご本人提供)

台湾の音楽を長年追い続けてこられた中で、現在の台湾の音楽シーンをどのように捉えていますか?

インディー・アーティストの動きが活発になって、広くインディー・レーベルからのバンドやアーティストの音楽を聞かれるようになりました。台湾を代表する音楽賞でも、以前はGolden Melody Awards(金曲獎)はメジャー・アーティスト、Golden Indie Music Awards(金音創作獎)はインディー・アーティストが中心でしたが、最近は両方で受賞するアーティストも普通に登場してくるようになりました。最近では、一緒に楽曲制作をしたりライブで共演したりと日本と台湾のコラボレーションも増えている様に感じています。

日本の音楽シーンとは、どのような違いを感じますか?

日本ではワンマンライブを春と秋という感じで多く行われていますが、台湾ではライブハウスを中心とした活動は少ないのではないでしょうか?バンドやアーティストは各地の音楽フェスに多く出演している印象です。高雄Megaport Festival、台南Vagabond Festival、台中Emerge Fest、桃園FireBall Fest.、台北Simple Lifeなど、台湾各地で本当にたくさんの音楽フェスが開催されています。その他には、台湾は多言語で、文化的背景も多彩なので、さまざまな音楽スタイルがあるところも魅力の一つですね。

最近、特に注目している台湾のアーティストはいますか?

インディー・バンドのNosu(野巢)や、PARK PARK @TOKYOにも出演したイーノ・チェン(鄭宜農)、DEW(汪定中)、Norton street(諾頓街)、Vulgar Savior(庸俗救星)、LINION、Hsien Ching(陳嫺靜)、それから台湾ヒップホップもかなり盛り上がっています。音楽フェスには、毎回新しいアーティストが出演しているので、出来るだけ足を運んでライブをチェックしています。さらに、そこでインタビューをして、常に新しい情報を発信できるように努めています。

最後に、台湾音楽のファンや、竹内さんのような音楽の仕事を目指している方々にメッセージをお願いします。

台湾音楽の種を蒔いています!台湾音楽リスナーをもっともっと増やしていきたいので、若い人材に活躍してほしいと期待しています!

【竹内さんオススメの台湾アーティスト作品】

・盧廣仲『100種生活』
・草東沒有派對 No Party For Cao Dong『瓦合』
・deca joins『在這裡停一下』
・洪佩瑜『明室』
・羊駝小姐Malpaca『((No wool. No hump))』
・野巢(NOSU)『Turntables in the Lift』
・GummyB『更好』
・淺堤『沈默的鉅作』
・百合花『不是路』
・田馥甄『要去什麼地方』

竹内さん、お忙しい中お時間を頂きありがとうございました!!これからも旬なアジアンアーティストをどんどん紹介してください!宜しくお願いします!!

[Information]
●竹内将子
https://note.com/masakotakeuchi

・X:https://x.com/asian2017breeze
・Instagram:https://www.instagram.com/masako_asianbreeze/

・Podcast『好玩電台』:Spotifyで聴く
・Radio『Asian Breeze』:Radikoで聴く

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