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~粉川理沙先生インタビュー~

FEATURE
Edit by Shiritaikun
SNSで話題となった『推し活英語フレーズ大全―LOVEを正しく伝えるリアルな表現集―』やドラマ『SHOGUN 将軍』の日米文化コンサルタントなど幅広く活躍されている粉川理沙先生にインタビューしました!
粉川理沙(KOGAWA LISA)
現在ロサンゼルスを拠点にイラスト・デザイン、主にエンタメ業界の通訳・翻訳、日米文化コンサル等など幅広く活動中。三重県生まれ、カリフォルニア西海岸・小田急線育ち。アートセンターカレッジオブデザイン、イラストレーション科卒業。イラストレーションでは過去にSociety of Illustrator, American Illustration, Creative Quarterlyを受賞。『SHOGUN 将軍』(ディズニープラス)などの映像作品では日米文化コンサルタント、他にもさまざまなアニメやドラマの動画配信サイトでの翻訳やイベント・アテンド業務に携わっている。
2025年に発行された著書『推し活英語フレーズ大全―LOVEを正しく伝えるリアルな表現集―』がSNSで話題となる。

キャリアについて

粉川理沙先生(写真提供:粉川先生)

―粉川先生はイラストレーター、翻訳家など幅広い分野で活躍されていますが、これらのお仕事に至るまでのきっかけや経緯をお聞かせください。

物心ついた頃から絵を描くのが好きで、ありがたいことに周囲も応援してくれました。自然な流れで中学から大学まで一貫して美術を学び、大学卒業後はフリーランスのイラストレーターとして活動を始めました。
転機が訪れたのは2020年です。SNSで日英通訳の募集を見かけ、内容もよく分からないまま好奇心で応募したところ、なんとアイドルグループの嵐の20周年展示に関わる写真撮影のバックアップ通訳でした。それまでボランティアや知人の依頼で通訳をすることはありましたが、正式な報酬をいただくのはこれが初めて。その仕事をきっかけにご縁が広がり、次の案件へとつながっていきました。SNSをやっていて本当によかったと思いましたね。
今思えば、実は大学時代にも通訳の“芽”のような出来事がありました。当時私がハマっていたドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日)をルームメイト(アメリカ人)に見せたくて、ただ、配信や英語字幕が今ほど充実していなかったので、毎週ほぼ同時通訳のように説明していたんです。その時に「私って通訳とか得意かも」とぼんやり感じていました。まさかそれが本当に数年後、仕事になるとは思っていませんでしたが。

―最初のお仕事はSNSがきっかけだったのですね。そのご縁がイラストのお仕事にもつながったといったキャリアが交差した具体的な出来事はありましたか?

キャリアが大きく交差したのは、コロナ禍にギタリストのMIYAVIさんのアルバム撮影で通訳依頼があった時です。嵐の案件でご一緒した方からお声がけいただいたのですが、撮影2日前に突然「そういえばインスタ見たんだけど貴方って絵も描けるよね?アルバムの背景用にこういうイラストが欲しいんだけどお願いできる?」と言われ、急遽制作しました。
その背景を気に入っていただき、今度はアルバム収録曲のMV用にイラストを50枚、2週間で仕上げることに。かなりタフでしたが、通訳とイラストの両方を同時に活かす貴重な経験でした。合間には資料やスライドの翻訳も行っていたので、頭も手もフル稼働でしたね。

―2週間で50枚!想像しただけでもかなりハードですね!

さらに思いがけないご縁で、私の元婚約者の友人の奥様のいとこ(笑)、という宇宙より遠いルートから依頼が届き、俳優の柳楽優弥さんが『ガンニバル』のPRでロサンゼルスに滞在された際の通訳・アテンドを務めました。この仕事をきっかけに関係者とのつながりが生まれ、ディズニーから定期的に作品関連の翻訳依頼をいただくようになりました。
数件担当後、担当者の方に「アニメは好き?」と聞かれ、「I’m the queen of anime」と答えたことがきっかけで、実写だけでなくアニメ作品の翻訳も任せてもらえるようになりました。私は漫画も大好きなので、アニメ化以前の原作段階から内容を把握していることも多く、「このキャラクターは後に性別が明かされるので代名詞を避けたい」「この漢字は誤りです」といった細かな提案が早い段階ででき、それが信頼につながったのだと思います。
振り返ると、イラストと通訳・翻訳という二つの軸が、エンターテインメントの現場で自然に結びつき、次の仕事を呼び込んでくれたのだと感じています。

―2020年の転機以降、さまざまなお仕事を引き受けられていますが、当時お仕事を進める中で不安などはありましたか?

もともと私はインドアで人見知り、かなり緊張しやすいタイプなので、現場に行くたびに大きなプレッシャーを感じていました。時間が近づくと胃が痛くなったり、気持ちを落ち着けるのに必死で、タバコの量も増えたり。正直、「人と関わるのが苦手だから絵を描いていたのに」と思うこともありました(笑)。

―不安な中で一番大変だったことは何ですか?

通訳は、両者の間に立つ仕事なので、双方から異なる要望が来ることも多く、その調整が一番大変でした。それぞれの要望をそのまま伝えるのではなく、衝突しないようにニュアンスを調整して伝えることもありました。

―こうした不安などはどのように乗り越えていったのでしょうか?

現場ごとに求められる役割も違うので、事前に「今回はどのスタンスで臨むか」を自分の中で整理していましたね。撮影現場では空気を和らげるように、インタビューでは正確性を重視して、アテンドではガイドのように振る舞うなど、ケースバイケースです。
乗り越え方としては、やはり「慣れ」が大きいです。小さな仕事から少しずつ経験を積み重ねていく中で、自信がついていきました。あとは「失敗しても死ぬわけじゃない」と自分に言い聞かせたり、現場前に頭の中で何度もシミュレーションを繰り返したりして、不安をコントロールしていました。今では、たとえ相手の立場が上であっても、不適切な表現(例として性別・年齢・人種に関することなど)があれば「その質問は失礼にあたる可能性があります」と伝え、より適切な形に言い換えられるようになりました。こうすることでクライアントからの信頼を得ることにもつながりました。結局のところ、不安を乗り越える一番の方法は経験を積むことだと思います。成功体験を重ねることでしか得られない自信があるので、やはり恐れずにチャレンジし続けることが大切だと感じています。

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[Information]
●粉川理沙 公式ホームページ
https://www.lisakogawa.com/

・X : https://x.com/lisakogawa_
・Instagram : https://www.instagram.com/lisakogawa_

●株式会社ナツメ社
https://www.natsume.co.jp/

・X : https://x.com/natsumepub
・Instagram : https://www.instagram.com/lisakogawa_

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