ICJLE 2024 日本語教育国際研究大会 参加レポート
International Conference on Japanese Language Education / 日本語教育国際研究大会。
日本語の教育者、研究者、出版関係者等が集う、日本語教育分野で最大規模の国際研究大会。高度な学術発表が行われるのはもちろん、最新の研究動向や教育手法、関連教材に関する情報交換も行われ、世界における日本語教育レベル向上に貢献する重要な国際学会として位置づけられています。
6年ぶりの開催
ICJLE は世界各地で不定期開催となっていますが、今大会は2018年のヴェネチア大会以来6年ぶりの開催。コロナ禍を経て待望の対面開催ということもあり、世界中から500人以上の日本語教育関係者が集う盛会となりました。
今回会場となったアメリカ・ウィスコンシン大学マディソン校は美しい湖畔に位置するキャンパスが特徴で、スイミングやセーリング、野外コンサートが楽しめるなど、大学というよりもリゾートを思わせる夢のような環境でした。参加者のなかには学食で買ったビールを片手に湖畔のテラス席で議論を交わす人々もおり、日本の学会とは少し異なるリラックスした雰囲気を感じられました。
200を超える研究発表
ICJLE 2024では、「日本語教育の多様性と専門性を考える」をテーマに200を超える研究発表セッションが行われました。参加者たちは各自の専門分野や関心に応じてセッションに参加し、活発な議論を通じて、知見を深める機会を得られたようです。複数会場で同時に約10セッション開催されているので、参加者の皆さんは「次はどこに参加しようか……」と常に迷っておられるようでした。今大会では、第二言語習得理論の新しい展開やオンライン教育の未来、異文化コミュニケーションと日本語教育など、現代の日本語教育が直面する重要課題に関するセッションが多かったようです。ポスターセッションも盛んで(日本の大学院生の発表も多数)、参加者たちは各ブースで直接対話し、具体的な指導方法や学習支援ツールに関する意見交換が行われました。
JPT AMERICAは今回、企業ブースを設置し、現地参加した出版社の方々とともに教材や研究書の展示・販売を行いました。特に、日本国外から参加された方々にとっては、テキスト類を手に取ることは比較的容易でも、最新の研究書に触れる機会は限られています。そのため、各出版社が選定したたくさんの新刊やおすすめ既刊書籍を一度に手に取って確かめられることは、このような学会に参加する大きな意義のひとつです。また、出版社の営業・編集の方々から直接書籍の具体的な内容や教材の効果的な活用方法を聞けることも、非常に貴重な機会と言えます。
私たちディストリビューターの視点で特に印象的だったのは、出版社の方々が限られた時間の中でも、隙間時間を活用して多くのセッションに積極的に参加していたことです。新しい教育方法や研究成果を熱心に学び、それらを自社の書籍制作に反映しようとする姿勢からは、単なる教材提供にはとどまらず、日本語教育の発展に貢献し続けようとする強い意志が感じられました。
また、レセプションパーティーでは、JPTグループが果たしている日本語教育における役割や今後のビジョンについてスピーチを行いました。さらに、出版社が合同で実施した海賊版テキスト防止セミナーにも参加するなど、同じ志を持つ出版社や関係者との連携を深める貴重な機会となりました。こうして現場の「生の声」に直接触れることは、JPTグループにとって非常に意義深い経験です。教育者や学生、著者の方々と直接お話しすることで、日本語教育の現場で求められている情報や教材ニーズ、さらにはいま直面している課題をリアルに知ることができました。
次回のICJLEは、2026年に台湾で開催予定とのこと。JPTグループとしても、引き続きこのような国際的な日本語教育イベントに参加し、教育者や研究者の皆さまとともに日本語教育の未来を支える活動を続けてまいります。私たちが今後お届けする教材や、教育現場に役立つ最新の情報が、より良い日本語教育の未来につながることを願ってやみません。
・ICJLE 2024
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