圧倒的な品揃えも健在!2021年に移転しリオープンした世界最大級の音楽ソフトメガストア「Amoeba Music」ハリウッド店を訪れた
Amoebaのオンラインとフィジカル・マーケティング
インターネットを通じてどのようなマーケティングを行っていますか?
私たちのマーケティング活動は、主にソーシャル・メディアのチャンネルを使ったり、Instagram、Twitter、Facebook、YouTubeのフォロワーや登録者向けに行っており、登録者向けのニュースレターの配信も毎週行っています。また、アーティストやレーベルとのコラボレーションにより、お互いの企画やコンテスト、イベントのプロモーション等を共同で行っています。
店舗販促はどのように行っていますか?
レコード・レーベルや映画の製作会社は、店舗ディスプレイやウェブサイトのバナー広告他、私たちのマーケティング・プログラムを使って新譜のプロモーションを行うことが出来ます。
オンラインショップと実店舗の間で相互作用はありますか?
私たちのウェブサイト上で、実店舗の宣伝を積極的に行っています。また、実店舗からウェブサイトに誘導するためのポスターを店頭に掲示するなどして、包括的な販促活動を行っています。共に補完関係にあります。
いわゆるデジタルネイティブと呼ばれる若年層がAmoebaに来店していると思いますが、なぜ彼らは、いまだに手に取れる実物の商品を求めているのだと思いますか?
人々はAmoebaに来店した際、そこにあるカルチャーに触れたり、実際に商品を目で見て手に取り、アーティストが作り上げた作品そのものに触れることで、ダウンロードとは違った体験が出来るのではないでしょうか。仮に、レコードプレーヤーを持っていなくて、CDやレコード、DVDを買わなかったとしても、Tシャツやコンサート・ポスター等、クールで文化的なものを見つける楽しさがあるのだと思います。
最近はTikTokのようなソーシャル・メディアから音楽のトレンドが生まれています。メジャー・レーベルは、インターネットで拡散するような音楽ばかりを狙って作っているようにも思われます。新しい楽曲が次から次へと目まぐるしくリリースされるので、ロングヒットが生まれにくくなっているようですが、このような状況にどうやって対処していますか?
TikTokでアーティストがブレイクするようになる以前から、私たちは“flavor of the month”というアーティスティックな手法によるアーティスト紹介を行ってきました。レコード店として、大御所アーティストと一緒に、新人や人気アーティストも紹介するようにしています。
アーバン・アウトフィッターズとのコラボレーションはどのように実現したのでしょうか?他の企業やブランドとのコラボレーションも行っていますか?
アーバン・アウトフィッターズがニューヨークのヘラルド・スクエアにオープンした時、同店舗内で、中古レコードのポップアップ・ショップを一緒に展開しました。彼らが、現在のように新品のレコードをたくさん売るようになる前の話です。これは短期間のコラボレーションとして成功しました。
過去数年間に、アパレル・ブランドとのコラボレーションを幾つか行っています。ストリートウェア・ブランドの“The Hundreds”、”Nice Kicks”(ニューバランスのシューズとアパレルなど)、そして最近では、オーストラリアの企業NEUWと限定発売のTシャツ、ジャケット、セーターを作りました。私たちのブランドが新しい顧客層にリーチしたり、これまでとは違った解釈でデザインされた私たちのロゴを目にするようになるのは、とても刺激的なことです。
Amoebaが捉える音楽のトレンド
K-POPは世界的に成功を収めている音楽ジャンルの一つですが、AmoebaでK-POPの商品は販売されていますか?また、このトレンドについて、どう思いますか?
もちろん、AmoebaでもK-POPアーティストの商品を取り扱っていて、ハリウッド店でサイン会を開催したこともあります。ポップミュージック、映画、ビジュアル・アートの固定概念に捕らわれず、人々に新しいカルチャーや感覚をもたらすような新しいトレンドは、どれも素晴らしいと思います。
「シティポップ」と呼ばれる70~80年代の日本のポップミュージックやAOR(Adult-Oriented Rock)が、日本国外で人気を集めています。アメリカでも同じような事象は見られますか?
Light In The Atticレーベルからリリースされている『Pacific Breeze』シリーズは、2019年に1作目がリリースされてから、とても人気があります。ワールド・ミュージック/日本コーナーで、お客さんからよくシティポップの問い合わせを受けています。
最後に、日本の音楽ファンにメッセージをお願いします。
長年に渡って、日本からたくさんの音楽(特にレコード)を愛する人たちが、私たちの3つの店舗に来てくれていることは本当に嬉しいことです。また、海外渡航が出来るようになってきたので、日本からより多くの音楽ファンがAmoebaに来てくれることを、心から楽しみにしています。
ところ狭しと並べられたCDやレコードのディスプレイは圧倒される迫力で上京したての頃、都心部の外資系CDショップに始めて行ったときの感動を思い出した。生活のスタイルも変わるし、当然、通販もストリーミングなどのオンラインサービスも利用するようになったが、目当てのCDを探したり、心惹かれるジャケットに手を伸ばしたり、音楽を楽しむ手段の一つとしてショップはまだまだ魅力的な場所だと思う。
AMOEBA MUSIC: https://www.amoeba.com/
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