52年の歴史を誇る「LONDON BOOK FAIR」 視察レポート
想像以上の大盛況!
珍しく晴天に恵まれたロンドン。朝9時の開場に合わせてオリンピアに向かうとそこにはもう長蛇の列ができていました。英国でのコロナウィルスによるロックダウンの例に漏れず、「London Book Fair」も2019年を最後に会場での開催中止を余儀なくされていましたが、政府による比較的早いロックダウン解除のため昨年4月には会場開催を実施。しかし、前回は世界的にはまだ移動制限もあり、従来に比べ来場者数は1万人以上少なかったとのこと。その反動もあったのか、今年は100か国を超える国の多くの来場者が初日の開場時間から会場を訪れていたようです。
ガラス屋根のこの会場は晴天に恵まれると非常に明るい会場となります。(ロンドンですので毎日そうとは約束できませんが。。。)
今年の「London Book Fair」は大小合わせて1,000を超える出展社が参加。大きな出版社やディストリビューターはメインフロアに大きなブースを構えていました。また会場には版権契約をその場で交渉するための特別スペースが設けられ、そこは別途チケット制となっているのですが、500以上のテーブルが並べられ、そこも大変な賑わいを見せていました。
今回我々は日頃からお世話になっている取引先との打ち合わせをいくつか予定していたのですが、会場を回りながら久しぶりに顔を合わせる取引先担当者にも挨拶、急遽打ち合わせにも対応していただき、改めて関係性を強化、実りある視察となりました。やはりオンラインだけではできない対面の打ち合わせの重要性を今回の視察でも実感した次第です。
国際色豊かなロンドンの展示会
もう一つ印象的だったのは、参加ブースが非常に国際色豊かなこと。英語圏はもちろんのこと、各国の出版社がブースを並べ自国の出版物の紹介・および翻訳権の売り込みをしていたようです。これはロンドンの街自体を象徴しているとも言えます。ロンドンには多くの移民が共存しており、それぞれの地域には自国の食べ物はもちろん、書籍を含むそれぞれの文化が持ち込まれています。それを誰もが体験できることで、人々があらゆる文化を受け入れる土壌を作り、ロンドンが本当に国際色豊かなグローバルシティとなることを助けていると感じています。
残念ながら今年は日本のブースは見つけられませんでしたが、来年は日本ブースも戻ってこられることを願っています。
出版展示会の新しい流れ
会場では様々なテーマに関して多くのゲストによる講演も行われていました。今年は著書の宣伝もかねてロンドン市長も参加していたようです。
多くの著者の中にはロックダウン中にSNSで有名になり書籍化、ベストセラーとなった人も多く、昨今の潮流を感じます。
またこのブックフェアは書籍のみならず、テレビや映画などあらゆるクリエイティブメディアのコンテンツに関する販売・流通のグローバルハブとなっています。多くの関係者が新しい情報収集やネットワーキングのために参加するのもLondon Book Fairの特徴といえるでしょう。
欧州らしいと思ったのが多くの出版社がサステナビリティをテーマとして掲げていることです。環境問題に関する書籍の出版のみならず、紙の利用・製造過程・運搬方法などに関して出版業界がどのように環境問題に関与していくか、そうしたトピックに関連した講演が多く行われており、この潮流は他の業界も含めて今後さらに顕著になると思われます。
今後も当社では毎年London Book Fairに参加する予定です。いずれ日本の出版社とも協力して、より日本の出版物のプレゼンスを欧州にて高めるようにしていきたいですね!
・London Book Fair
https://www.londonbookfair.co.uk/en-gb.html
2024年の開催予定 2024年3月12日 - 14日
・JPT EUROPE LTD.
Office 1, 289 Kennington Lane, SE11 5QY London, UK
Tel: +44-(0)20-7839-4839
https://www.jpteurope.co.uk/
info@jpbooks.co.uk