57年の歴史を誇り、日本のビートルズ文化を見守ってきたザ・ビートルズ・クラブ直営の『FAB4ギャラリー』
創立57年。1966 年、ビートルズ来⽇より活動を続ける世界で最⻑の歴史を誇る最⼤のファン・クラブ。ビートルズ・メンバー、ファミリーとの信頼関係、関係者との深い繋がりを持っている。80 ページのビートルズ専⾨誌『⽉刊ザ・ビートルズ』を毎月発⾏。ポール・マッカートニー来⽇時には優先チケット販売の実績もあり。
<FAB4ギャラリー『レット・イット・ビー』>
ゆかりの品々や数々のグッズと共に、ファンが集う憩いの場。
1966年に発足したザ・ビートルズ・クラブが所蔵するビートルズゆかりの品々を展示したり、ビートルズのイベントを開催する多目的スペースです。展示内容を変えた特別展やイベントを開催しています。ビートルズを楽しみながら、ビートルズが創ったすばらしい文化を継承していきます。
―ザ・ビートルズ・クラブの歴史について簡単に教えて頂けますか?
1966年7月、ビートルズ日本公演の直後、有志によって発足したのがBCCの前身『ビートルズ研究会』でした。動くビートルズを体感するには映画しかないということで、映画配給会社ユナイトからフィルムを借りて、定期的な上映会を行っていくという活動からスタートしました。“映画(CINE)”中心の活動だったため、ビートルズ・シネ・クラブ(BCC)と命名しました。活動の幅が広がっていったため、1995年にザ・ビートルズ・クラブと名称変更しました。
―メンバー公認ということですよね。
活動期間が今年で57年と長いですしね。ジョン・レノンは1969年に愛と平和のメッセージを吹き込んだカセットテープを送ってくれましたし、ポール、ジョージ、リンゴとは70年代から、そしてそれぞれの初来日コンサートでさらに絆が深まりました。ビートルズのアップル社代表の故ニール・アスピノールは、「君たちはバンにフィルムを積んで、僕らはバンにアンプやドラムを積んで……僕ら同じようなことをしてビートルズの音楽を広めているね!」と言っていただいたこともあります。無論、ニールの場合は本物のビートルズを乗せていたわけですが。
―お互いにスピリットは同じということですよね。現在の活動を教えてください。
毎月80ページの月刊 The Beatlesを会員の方に発行しております。2023年8月号で通巻629号になります。毎月ビートルズだけでこの情報量の書籍が出せるのもビートルズの奥深さあってのことではないでしょうか。ほかには、長い活動の間に、メンバーからゆかりの品々をファンを代表して預かることになりましたが、それらを倉庫に眠らせているだけというよりも、ビートルズを愛する方々に見てもらえた方がいいと思い、2019年4月にここ、渋谷区笹塚で小さなFAB4ギャラリーをオープンしました。コロナ禍でしばらくお休みしていた時期もありますが、今年からは毎週土・日にオープンしています。
―FAB4ギャラリーにはどんなお客様がいらっしゃいますか?
BCC会員の方はもちろん、SNSなどを観て昔ファンだった方が「子どもも大きくなったし、またビートルズを聴こうかな」とおっしゃる方や、ご夫婦で、また三世代でいらっしゃる方も増えていますよ。
―それまではどのような活動をなされていたのでしょうか。
デパートでの『大ビートルズ展』やジョン・レノン・ミュージアムといった催しものや、Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴといったイベントまで、幅広く行なっております。これからはビートルズの写真展なども積極的にやっていきたいですね。
―70年代や80年代と現代の活動の違い、変化を教えていただけますでしょうか。
まず、フィルム上映を主体に日本全国を巡業した『ビートルズ復活祭』の時代があったわけですが、家庭用ビデオの普及で、需要がなくなったといいますか、みんなで楽しむ時代から個の時代に移ったとも言えるでしょうね。ただ、今また、みんなで楽しむ時代が来ているのかもしれません。
―とおっしゃるのは何か理由があるのでしょうか?
いつの時代もそうですが、また10代、20代の若い世代のファンの方も増えてきています。これまでよりもジョージのファンが目立っているのも特徴ですが、彼らがアナログ・レコードに興味を示したり、バンドを組んでビートルズっぽいオリジナル曲を演奏するとかも多いですね。ベテラン・ファンの方も、家庭や仕事のことがひと段落して、出かけたりしてみようかなという方も多い。そこで、ポール・マッカートニーのコンサートですとか、何か集まれること、集まれる場所を作って、そのお手伝いをしたいと思っています。
―今、いちばん推しているコレクションは何ですか?
ビートルズの直筆サインはもはや歴史的文化財と言っても過言ではないですね。価格もどんどん上がっていきます。家宝に購入していく方もいらっしゃいますし、楽器をまた始めようという方も多く、ジョン、ポール、ジョージが使っていたエピフォン・カジノとか、レコードではBCCの保管倉庫に眠っていた新古のレコードや、今年発売されたポールのアナログ・レコード“RED ROSE SPEEDWAY”のハーフスピード・マスタリングもお勧めです。
―ここまで長く続いた理由を教えてください。
まず第一に何度聴いても飽きないビートルズの音楽の素晴らしさがあります。そして、彼らにまつわる人間関係や時代背景やサウンドや歌詞の研究など、しれば知るほど沼にハマっていく彼らの魅力と奥深い世界があります。そして何より、第一世代がそうであったように、ビートルズの音楽を聴いて「自分も何かやらなくては」と思った方がたくさんいらっしゃる。ビートルズがそういうことを歌っているわけでもないのにです。英語がぱっとわからなくても音楽そのものを魂に取り込む力が日本の人にはあり、そういった現象が今も続いている。それを少しでも手助けできる活動ができればと思っております。
―紆余曲折あったと思いますが、印象深かった出来事はありますか。
ビートルズ解散やジョン・レノン、ジョージ・ハリスンの死など、ファンとしてもファンクラブとしても衝撃的な出来事が何度もありました。しかし、いいこともたくさんありました。1975年からポール・マッカートニー来日要請大集会に始まり、1986年の署名運動まで、外務省に掛け合ったりしてポールの来日実現へ向けて動いてきました。そのせいだけではないでしょうが、ポールの来日が叶い、それが今まで続いていること、バンド・コンテストの審査委員として来日していただいたジョージ・マーティン氏に懇意にしていただいたことなど、ビートルズ・ファミリーと交流があったのはうれしいことでした。
―今後の予定はありますか?
コロナ禍で休止していたロンドン・リバプールへの旅行団の復帰や、FAB4ギャラリーで小さく展開している展示会を、以前のように大きな会場で開催できるといいですね。ポール・マッカートニーの来日も心待ちにしています。
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